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脳の何らかの病気による変化(脳の病変)によって引き起こされる症状・状態の総称を示します。
歳とともに生じる自然な変化とは異なり生活を送る上で支障が生じやすく、本人だけでなく、その周りにいる家族にも影響をもたらすことがあります。
脳の病変によって直接引き起こされることにはさまざまなものがあります。これは一般的に中核症状と呼ばれるものです。病変の部位や程度、病変の質によって症状は異なります。
・物忘れ(最近の出来事を記憶しておくことが難しくなる)
・日付や場所の感覚がつかみにくくなる
・場所や状況、変化に応じた理解や言動が難しくなる
・言葉が出にくくなる
・注意力が低下し、些細なミスが起こりやすくなる
・慣れていた家事や仕事、家電の操作などがうまくいかない …など
体とこころはつながっており、脳の病変はこころにも思わぬ影響をもたらします。これらのこころへの影響は本人も漠然とは感じており、本人なりに無意識の防御反応も起こりますが、一般的にはコントロールがしにくいものです。
・怒りっぽくなる
・細かいことを気にしなくなる
・疑い深くなる
・気分の落ち込みがみられる …など
脳の病変によって引き起こされたこころの反応は、周囲の人との関係や対応、本人が置かれている環境によってさまざまな言動となって表れてきます。これらの言動は、よく家族や周囲の人にとってもどう対処したらよいかに迷うものとして表れてくることが多く、本人の辛ささえも見えにくくしてしまうものです。
これは一般的に心理・行動症状と呼ばれるものです。
表1. 中核症状とこころの防御反応により生じる周囲との困難さ(心理・行動症状)の例
認知症が疑われる本人は、認知症という病気を大きな不安や混乱といった感情で体験しています。本人の言動に対して否定したり言い返したりするなど、家族も本人も同じエネルギーでぶつかり合うと、お互いに疲れ果ててしまいます。
少しの時間だけでも距離をつくる、第三者に間に入ってもらうなどお互いに居心地のよい距離感を見つけていきましょう。
「家族なのにマイナスなことは思ってはいけない」「家族だからちゃんとやらないと…」という気持ちは介護の中で生じやすい気持ちの一つです。しかし、その気持ちだけではあなたや家族、そして認知症が疑われる本人も苦しくなってしまいます。「家族だからこそ」色々な感情が生まれて当然です。
そんな時には病院や施設といった専門機関だけでなく、必要に応じて親戚、友人、近所の人などでつらいことや大変なことをお互いに分け合い、フォローしあっていきませんか?
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